合併公告|簡易吸収合併存続会社単独掲載

9 簡易吸収合併する時、、存続会社が単独で公告を掲載する場合(合併異議申述及び通知公告)


吸収合併

会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう(会社法2条27号)


簡易合併

 消滅会社の株主に交付する存続会社の株式に1株当たりの純資産額を乗じた額と消滅会社の株主に交付する存続会社の株式以外の財産の帳簿価格の合計額の合計額が存続会社の純資産額の5分の1を超えない場合(会社法796条第3項)

 但し

 合併差損が生じる場合又は存続会社が公開会社でなく消滅会社の株主に存続会社の譲渡制限株式が交付される場合には、簡易合併によることはできず、存続会社で株主総会の承認決議を要する。
 また、要件を満たす場合でも、合併の効力発生日の20日前までに行う株主に対する通知または公告(会797③④)の日から2週間以内に、議決権を行使できる株主の総数の6分の1(定款で特別決議の定足数を3分の1まで引き下げた会社は9分の1)を超える株式を有する株主が、反対する旨を存続会社に通知したときは、効力発生日の前日までに存続会社の株主総会の承認を得ることを要する(会社法第796条第4項)。


・関連する法律条文
会社法 (平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
 e-Gov法令検索 (旧政府法令データ提供システム) 参照


第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転
 (第七百四十八条~第八百十六条)


第七百四十八条 (合併契約の締結)
会社は、他の会社と合併をすることができる。この場合においては、合併をする会社は、合併契約を締結しなければならない。


第七百四十九条 (株式会社が存続する吸収合併契約)
 会社が吸収合併をする場合において、吸収合併後存続する会社(以下この編において「吸収合併存続会社」という。)が株式会社であるときは、吸収合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
 一  株式会社である吸収合併存続会社(以下この編において「吸収合併存続株式会社」という。)及び吸収合併により消滅する会社(以下この編において「吸収合併消滅会社」という。)の商号及び住所
 二  吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して株式会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅株式会社」という。)の株主又は持分会社である吸収合併消滅会社(以下この編において「吸収合併消滅持分会社」という。)の社員に対してその株式又は持分に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
  イ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
  ロ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
  ハ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
  ニ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
  ホ 当該金銭等が吸収合併存続株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
 三  前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社を除く。)又は吸収合併消滅持分会社の社員(吸収合併存続株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
 四  吸収合併消滅株式会社が新株予約権を発行しているときは、吸収合併存続株式会社が吸収合併に際して当該新株予約権の新株予約権者に対して交付する当該新株予約権に代わる当該吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭についての次に掲げる事項
  イ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して吸収合併存続株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
  ロ イに規定する場合において、イの吸収合併消滅株式会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収合併存続株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
  ハ 当該吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して金銭を交付するときは、当該金銭の額又はその算定方法
 五  前号に規定する場合には、吸収合併消滅株式会社の新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収合併存続株式会社の新株予約権又は金銭の割当てに関する事項
 六  吸収合併がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
2  前項に規定する場合において、吸収合併消滅株式会社が種類株式発行会社であるときは、吸収合併存続株式会社及び吸収合併消滅株式会社は、吸収合併消滅株式会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。
 一  ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
 二  前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
3  第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、吸収合併消滅株式会社の株主(吸収合併消滅株式会社及び吸収合併存続株式会社並びに前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。


第七百九十九条 (債権者の異議)
 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。
 一  吸収合併をする場合 吸収合併存続株式会社の債権者
 二  吸収分割をする場合 吸収分割承継株式会社の債権者
 三  株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合 株式交換完全親株式会社の債権者
2  前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。
 一  吸収合併等をする旨
 二  消滅会社等の商号及び住所
 三  存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの
 四  債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
3  前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
4  債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。
5  債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。


合併公告 (ひな型)

 当社(甲)は、合併により○○株式会社(乙、
住所東京都○○区○○町○丁目○番地○○号)の
権利義務全部を承継して存続し乙は解散すること
にいたしました。   
 効力発生日は平成○○年○○月○○日であり、
この合併は平成○○年○○月○○日に会社法第七
九六条第三項に基づき株主総会決議を経ずに決定
いたしました。(又は決定する予定です)。
 この合併に対し異議のある債権者は、本公告掲
載の翌日から一箇月以内にお申し出下さい。
 なお、最終貸借対照表の開示状況は次のとおり
です。※1
(甲)証券取引法による有価証券報告書提出済 ※1
(乙)掲載紙 官報 ※1
   掲載の日付 平成○○年○○月○○日
   掲載頁 ○○頁(号外第○○号)
 平成○○年○○月○○日 ※2
  ○○県○○○市○○町○○番○○号
                 ○○○○株式会社
              代表取締役 ○○ ○○


【注】本公告は債権者保護手続の一環であるから官報で行わなければならない。

【注】会社の住所、会社の名称、代表者の肩書き、氏名は登記簿に記載されているとおり

【注】効力発生日は任意記載事項です。


※1 合併公告(債権者異議申述公告)においては、合併する会社の最終貸借対照表の開示状況を記載する必要があります。
その場合、合併の相手方の貸借対照表の開示状況の記載も必要です。(特例有限会社においては貸借対照表の開示状況の記載は不要です)
最終貸借対照表の開示状況の記載方法


※2 掲載日は、原稿をいただいた後、掲載可能な日をご連絡いたします。
・掲載希望日がある場合はご連絡ください。
・( 官報公告掲載までに必要な日数 )をご覧下さい。
・本公告は行公告として掲載されますが、最終貸借対照表を同時掲載する場合は枠公告となります。
・( 官報公告掲載料金表 )をご覧下さい。


公告原稿を作成する場合は、原稿作成の手引き を参照しながら、
記入用ひな型をダウンロードして必要事項をご記入ください。
(合併公告のひな型一覧はこちら)


また、「官報公告等掲載申込書」をダウンロードして必要事項をご記入ください。

公告掲載のお申込みの前に、官報公告お申込み手順 をご覧ください。


※ 吸収合併とは「会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう」(会社法2条27号)。

※ このような合併は4種類の会社(合名会社、合資会社、合同会社、株式会社)のいずれの組み合わせでも認められます。(特例有限会社、清算株式会社には制限があります)

※ 必要事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない(789条2項・799条2項)

※ 合併において、株券提出公告は必須の公告となります(株券等を発行していない場合を除く)。合併登記申請にも必要な添付書類とされました。

※ 会社法では、吸収合併の効力は登記ではなく、効力発生日に生じる事とされ(会社法750条1項)、その日までに全手続が完了していればよく、合併公告と合併承認決議の前後を問わなくなりました。